夫がアスペルガーかもと思ってから1年が過ぎた今 ②
夫が仕事を辞めた
夫は職人だった。
コミュニケーション能力が欠けている夫には向いていた仕事であった。ただ、もくもくと仕事をすればよかった。従業員としてではなく、請け負いで働いていた。
45年間でどれだけ工務店を変わっただろう。
ただ取引先の工務店が変わっただけの話で、仕事の内容は変わらない。だからずっと職人として仕事を続けることができていた。
出典:家族のためのアスペルガー症候群とのつきあい方
しかし、20年くらい前からただ家を建てればいいという時代ではなくなり、お客様の要望を理解できなかったり、職人同士のつきあいもできない夫に仲間がいなくなった。
1人で請け負っていた夫は工期短縮についていけず、ついに仕事を辞めることになった。
アルバイト・パートを探した
夫は当然採用してもらえると思っている。
私はまず無理だと思っていた。
それでもアルバイト・パートに出ようと思ってくれたことは評価をした。
3~4か所面接にいったが、みごとに不採用だ。
私が面接官でも雇わない。
「二人で死ぬまで働こう」で何とか老後がやっていけそうな気がしていたが、もう夫の収入はゼロになるということだ。
ついに私の仕事を手伝うことにした。
いままですべてのことにおいて「決断」ができず、結果的に私が決断をしてきた。
今回ばかりはズルズルと引き込みたくはなかったので、夫の口から言ってもらうことにした。
「頑張って働くから仕事をさせてください」と夫は言った。
私は期待してしまった。
ところが何ひとつできない。
私からみたらすこぶる簡単な仕事しか与えていない。
いちいち手取り足取り、ずっと見ていなければならない。
私一人でやるほうがよっぽど早くできる。
これじゃ、人様に雇ってもらうなど到底無理である。
結果、やはり私が背負いこむことになってしまった。
66歳、いまさらではあるが、残された人生を私が疲弊せずに夫とも暮らしていける。そんな道を探っていきたいと思う。
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